通常、「遠くを見るためのメガネ」はレンズの中心の最も良く見えるところを、メガネフレームの上下の中心より1〜2mm程度高い位置になるように加工します。一方、出来上がったメガネフレームも(特殊なデザインの場合を除き)瞳の中心がフレームの上下の中心より1〜2mm程度高い位置になるようにフィッティングします。
そうすることにより、メガネを自然な位置にかけたとき時、視線がレンズの中心の最も良く見えるところを通過して、処方どおりの見え方になるわけです。
また、「近くを見るためのメガネ」はレンズの中心の最も良く見えるところを、メガネフレームの上下の中心あたりになるように加工することが多いです。一方、出来上がったメガネフレームは(特殊なデザインの場合を除き)「遠くを見るためのメガネ」と同じように、フレームの上下の中心より1〜2mm程度高い位置になるようにフィッティングします。
人間が近くのもの見るのは、新聞・本・手紙などを、手に持ってまたはテーブルの上に置いて見るケースがほとんどです。
そのような場合、顔全体が読みたい対象物の方を向くわけではなく、顔を少し下げながらも、視線をわずかに下方に向けて見ています。
その状態では、「フレームの上下の中心より1〜2mm程度高い位置に瞳の中心」があり、かつ「レンズの中心がフレームの上下の中心にある」と、視線がレンズの中心の最も良く見えるところを通過して、処方どおりの見え方になるわけです。
遠近両用メガネや、近々両用、中近両用などのメガネはさらに複雑になりますが、いずれの場合にしろ、「瞳の中心がメガネフレームの上下の中心より下にある」場合は、外見上も機能的にも正常ではないと考えられます。